2011年08月20日

日野裕太郎さん『歩きながら彼女たちは』感想

日野裕太郎さんの『歩きながら彼女たちは』を読了。

三部の作品から成る短編集。

「白い平穏」は、切ない。
「天」への供物として生まれ、何の疑問も持たず育った種族の中で、疑問を持ったが故に「廃棄」された恋人の下へ主人公は歩みを続ける。
その一途な想いが痛々しく、「天」すら斥ける愛は、美しい。
ラストがただただ、切なく、狂おしく。

「乾いた道へ」は、苦い。
恋人を奪われた女は、昔聞いた伝説の「主」へと祈りを捧げる。
それがどんな未来をもたらすかも知らず……。
自分のため、そして恋人のために祈ったはずのその想いは、しかし苦い結末へとひた走る。
ラストの悲鳴は、自分の本当の想いを知った主人公の、取り返しのつかないものだろうか。

「歌と約束」は、怖い。
最初は兄と妹のどこか胸痛む、心温まる物語かと思ったら……
どんでん返しでぞーっとしちゃったじゃないですか、ヤダー!
この作品は是非とも手にとってラストのどんでん返しで怖い思いをしてください(笑)

日野裕太郎さんは、明日21日(日)のコミティアで「G-06a 下町飲酒会駄文支部」に出展をしているので是非足を運んでみてください。
(2011年8月21日(日)11:00〜16:00 有明・東京ビッグサイト東5・6ホール)

表紙のRopper"H"のはるのぶこさんのイラストも美麗で秀逸です!
posted by 桜井夕也 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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