2011年11月08日

日野裕太郎『スコシの領分』感想

日野裕太郎『スコシの領分』読了

『スコシの領分』『闇憑きのハコベ』『探求中毒』の三編から成り、既刊『水に咲く花』と繋がりを持っている。

『スコシの領分』。
奇病を鎮めるため冥府の女王に謁見する――生贄となる少女の旅。
祖母も、父も、母も、何かが「欠け」、何かが「足りない」と揶揄される。
そうした血族にあって、スコシは自身にも「欠落感」を抱く。
どれだけの揶揄が、誹謗が、中傷が、この一族に注がれたか。
そしてスコシに生贄となることを決心させることになったものは、あまりにも切なく。

完璧な人間などいない。
皆何かしら「欠けて」いる。

「他人に全部おっかぶせて、みんなのためだなんだって……そんなことをぬけぬけといえるあんたらの方が、あたしにしたらよっぽど欠けてる」

母のこの言葉が、胸に突き刺さる。
この声が、聞こえるか。

完璧な人間などいない。
――そんなことは誰だって知っているのだろう。
だが、ほんの少しのことで人は人を嘲り、罵り、侮り、「欠落」していると烙印を押す。
だけど、そんな世界は、悲しいだけだ。

スコシはそんな世界を、優しく、ただ優しく眺め――戦慄し、涙を押し殺しているが――、最後まで村人と幼馴染のことを気にかける。

その優しさが、ただただ、愛おしく、切ない。

『闇憑きのハコベ』は冒頭の文章が『水に咲く花』の記憶を一気に――怒涛のように思い出させ、どこか懐かしく思い起こされた。
人を殺すということ、人を愛するということ、人に愛されるということ。
闇憑きのハコベをどうにかしようと足掻く「才のない」祈祷師のじりじりする様。
そして死してなお師匠の、弟子を想う気持ち。
愛情が、胸を突いた。
男同士の友情(というか、師匠と弟子だから師弟愛?)、いいもんだなぁ。

『探求中毒』
これは『水に咲く花』『闇憑きのハコベ』から大分時間が経っているが、祈祷師の犯した罪の、その最後の顛末が描かれている。

とても面白かった!

サークル名:下町飲酒会 駄文支部
ウェブサイト:http://kemo.boo.jp/
posted by 桜井夕也 at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月05日

KOU『秋爽』感想

KOU『秋爽』読了。

切ない、人は決して分かり合えないという無常観をテーマとした作品。

「愛をいかに確認するのか、あるいは確認できるのか」
が日本海の田舎を舞台にして、とある男女を通して描かれている。

悲恋に海は似合いますね。

読後ちょっと泣きそうになりました。

こうきゅん、ありがとうございました!

サークル名:AZUReLY BLUE SIDe
ウェブサイト:http://azurelyblue.yu-nagi.com/
posted by 桜井夕也 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

河村塔王『無題』感想

河村塔王『無題』読了

本が現実を侵蝕するような。
現実が本を侵蝕するような。

旺盛に実験的作品を発表する河村さんの本領発揮、な作品。

メタフィクションと言えばメタフィクションだけれども決してそれに留まることはない。
想像の、テキストの限界を超える試み。
そのための必然的な特殊な装丁。

全てが文学の可能性を拡張する試みで、カッコよかったです。

サークル名:ICU
ウェブサイト:http://www001.upp.so-net.ne.jp/toh-kawamura/
posted by 桜井夕也 at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

柳川麻衣『Lotus』『Lily』感想

柳川麻衣『Lotus』『Lily』読了

女子学院を縁にとある魅力的な女性、蓮実と関わっていった少女たちの連作の1巻目と4巻目。
甘く、切なく。
少女特有の、少女同士のエロティックな甘えだったり、成長する痛みだったり、小物や音楽のエッジィさだったり。
そんなものが胸を撞く作品でした。
ああ、こうやって人は成長していくんだな、と。
俺は全然成長してないな、と。。笑
胸が痛くなるような。

甘やかで、切ない世界をもっと読みたいと思いました。

サークル名:痛覚
ウェブサイト:http://words-in-pain.hacca.jp/pain/
posted by 桜井夕也 at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

文学フリマを終えて

文学フリマ、本をお買い上げいただいた方、ブースにお立ち寄りいただいた方、お話してくださった方、立ち読みで少しでも興味を抱いてくださった方、運営スタッフの方、打ち上げでご一緒したクリルタイの皆様、こうきゅん、鈴木さん、クロフネさん、そしてそして特に伊織さんと相沢さん、ありがとうございました。

おつかれさまでした。

本当に楽しかった!



今回は兎角毒苺團さまと初の合体配置で。

ええ、大変でしたよ、いろいろと……。

いろいろと……。

1日必着なのに2日に発送して荷物が届かないとかね!(´□`。)

……伊織さん

参加要項は全部読みましょうね。。(ーー;)



私は2001年から11年かけて書いた作品『HAKENKREUZ HALLUCINATION』を引っ提げての参加で。

銀色(オフメタル)の表紙に本文淡クリームラフ書籍、フォントはヒラギノ明朝、とゆう気合いの入った作りでね。。

2000円での販売となりました。。(◎_◎;)


正直、少しは売れるだろーとは思っていたのですが。。

中身を見てくれる人は沢山いたんですが。。

ぐいぐい読んでくれる人はいっぱいいたんですが。。



2000円



とゆうお値段に。

皆さん引かれたみたいでした。。。


それでも合計6冊、そのうち新規でお買い上げくださった方が2人、かな? 売れましたー♪( ´▽`)



買って下さった方からも「強気な値段ですね」と言われ、、


だってほぼ原価なんだもん。。(/ _ ; )

20冊刷って39000円強、それに消費税、郵送費込みで、少し原価割れしてるんだもん。。




それでも、お買い上げくださった6名の方に。

多大なる感謝の言葉を捧げます。

ありがとうございました。



今回は合体配置ということもあり、ブースを空ける余裕ができたので一通りあいさつ回りをしてきました。

朗読CDを貸していただいたり、無配のノベルゲームをいただいたり、お菓子をくださったり。

ありがとうございました♪( ´θ`)ノ

あとは事前にチェックした気になるサークルさんで本を買ったり。

今回はたくさん本買ったな。。笑


あとは目の前にあったカレー屋さんのカレーがめちゃくちゃおいしかった!

これはもう文フリ名物として定着させるしかないでしょう(笑)



代表をはじめ運営スタッフの皆様、志は皆違えど己の文学を愛するサークル参加者の皆様、文学フリマにお越しいただいたお客さま、

私にとって文学フリマはなくてはならない場になりました…笑

本当に、昨日はありがとうございました。そしておつかれさまでした!♪( ´▽`)

http://d.hatena.ne.jp/jugoya/20111103
posted by 桜井夕也 at 00:53| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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